水際トーチカ群

映画にも出てきましたが、火炎放射器で焼かれてしまった水際トーチカ群です。
上陸してきた米軍に対しては絶対的に有利な位置にありましたが、
その分集中攻撃されてしまうのは致し方なかったのです。
しかも海軍仕様なので後方(壕)への退避路は一切なし。
アメリカ軍に囲まれたらなぶり殺しに合うのが目に見えている造りです。

このトーチカ群、確認出来ただけでも、五つの個体が南海岸に展開されていました。

GoogleMapによる航空写真

トーチカ壱号機(映画「硫黄島からの手紙」登場シーンあり)
ここには火炎放射器で焼かれ、銃身が熔けてしまった機銃が残っています。
最後の写真はトーチカ壱号機の上から見た南海岸。二ッ根岩と摺鉢山が見えます。

  

  
トーチカ弐号機(映画「硫黄島からの手紙」登場シーンあり)。
兵器残骸は無し。三枚目の写真は映画風に。(撮影:たけちゃん氏)
トーチカからは上陸海岸が丸見えです。

 
トーチカ参号機。
銃口窓が南海岸に向いていません。他のトーチカの支援用でしょうか?
兵器残骸は無し。

 
トーチカ四号機。
このトーチカは三方向に銃口窓があります。
ちなみに北東側(上陸米軍に向かって背面)穴だらけです。
兵器残骸は無し。

 
トーチカ伍号機。
ここには機銃の台座だけが残っています。
それと弾薬置き場でしょうか、機銃部屋の隣に小部屋がありました。

  
このトーチカに入ると思うのですが、機銃の前で待機しつつ、
目の前に上陸してくる何万人もの敵兵を見ていたときの
兵隊さんの心境はさぞかし恐ろしかっただろうなぁと。
今は波と風の音しかしませんが、
あの時ここで何があったんだろうと耽ってしまいます。

おそらく米軍上陸後、最初の戦死者になったであろう、
このトーチカ達の中にいた兵隊さんに合掌です。

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