2019-01-27() 太海海岸(つげ義春聖地巡り)
快晴 最低最高気温 -1℃+10℃ 西北西の風13m 湿度40%


撮影データ:PENTAX KS-2+DA17-70mm f4、FA80-320mmf5.6とiPhone6で撮影。
画像はクリックで拡大します。


今回は房総半島、鴨川近くの「太海」と言うところにお邪魔します。
ここに決めた理由ですが、つげ義春先生の「ねじ式」と言う漫画の舞台のイメージがここの漁村らしく
それを確かめるための聖地訪問となりました。
マップを見ていると、どうも太海には仁右衛門島(にえもんじま)と言う、千葉県名勝指定の島があるではないですか。
気を引かれた私は早速、お出かけするのでありました。
北朝霞から内房線経由で太海までICで3,024円か・・・意外とするんだな、こりゃ特急は無しの節約移動しなきゃな(^_^;)。
だったら18きっぷの時期に行けばいいじゃんと思いますが、なぜか身体の衝動は抑えきれませんでしたw

北朝霞で大好きな松本穂香嬢に遭遇!と言ってもポスターですが。
最近の若い子では一番好きですね〜。

それにしても今日は北からの風がとんでもなく冷たい。
例のごとく山の向こうでは雪が降っているのでしょう。
まあ、今日の行き先は外房なので、この山風は無いでしょう。と、高を括っての出撃でした。


千葉から館山行きの各停に乗りますが、今日は想像と違い満席状態。
日曜日の早朝って内房線、こんな混んでたっけ?
結局、館山まで座れませんでした。何で?
まずは君津を過ぎた辺りでお日様が出ます。


館山に到着。列車の99%の人がこの駅で下車したようです。
安房鴨川行きの列車に乗り換える人はほんの数人ほど。
調べてみたら本日は「館山マラソン」が行われる日でした。
あの大量の乗客はみなさんランナーさんだったのね。
あとでわかったのですが当日は全席指定の臨時特急まで出ていました。
みなさん健康志向で何よりですな。
 館山駅で下車ラッシュ。会場までのシャトル大型バスも駅前で待機中。

こうなると安房鴨川までは貸切状態。ボックスシートを独り占めです。
 この時のBGMはKAB.さんの「ひとり鬼ごっこ」。

 江見〜太海間にて。

太海駅に到着。木造駅舎が素敵な簡易委託駅です。
朝07:00〜14:20までは駅員さんが居ます。簡易SUICA改札機もあります。
出発する時、SUICAの残高は600円しか入ってなかったのでここでチャージしますが
なんと太海駅のチャージ機は1回1000円のみ。3000をチャージしますが、1000円チャージする度にカードを抜き差しするのは面倒くさい。
北朝霞の駅で6000千円チャージしてくればよかった(笑)



館山方面を。



安房鴨川方面を。



跨線橋から海が見えます



駅出入口



駅前から廃屋の洗礼が!ここも過疎化が止まらないんだろうなぁ。



漁村案内図。かなり大雑把です。

 


忠兵衛さんも今はやってなさそう

 







































































































これまた豪快な廃屋に出会いました。
かなり昔の造りですが、このまま朽ちていくのはもったいないような・・・


つげ先生の漫画にも出てくるとおり、この辺りも昔は茅葺屋根が沢山あったのでしょう。
それを覆うように鉄板を被せてあるこの家屋、鉄板だけが腐食して下地の茅葺きがむき出しになっています。
結局海沿いの地域では塩害があるため、金属の寿命はとても短いということですね。


太海海岸に出てみました。
今日は風があるので波は多少ありますが、静かな浜辺ですね。
シーズンオフならプライベートビーチになりそうです(今日はいつになく寒い(風が)ですけどね)
 太海海岸パノラマ撮影(よしのや旅館前より)

寒いのでコーヒーでも思いました所、ちょうど浜辺に喫茶店らしき建物があるではありませんか。
浜茶屋太海さんか・・・。へえ、食事も出来るんだなとお値段をば確認・・。
ん?おさしみ唐揚げ? なんだか美味しそうだな。
と食指が動きますが、まだ食事の時間には早過ぎるので他のメニューをざっと拝見。
「う〜ん、全体的に観光地価格だなぁ。どうしても今寄る必要もないかなぁ」と今回はパスすることに。
ちなみにホットコーヒーが500円です。眺めは店の中も外も変わらないし、防潮堤?に座れるから缶コーヒーでいいや(笑)

さて、ここ太海はつげ義春先生の代表作「ねじ式」の聖地でもあります。
現地には漫画の中の一コマと同じ場所もあり、そこにはファンのためのプレートも付いてたりします。



プレートが見えます。駐車車両が超邪魔です。



自動車に覆いかぶさるようにして何とか撮影出来た
つげ先生のプレート。
義春の字が間違っています(T_T)。

 


漫画での1シーン。



当時、つげ先生が撮影された1コマ



現在の同じ場所。建物は新築されていますが、
石垣と階段がほぼ一緒ですかね。



















































いや〜現地を見ると感慨深いものがありますね。ジモティの視線が熱いけど、みんなわかってるだろうと勝手な解釈で聖地巡りを遂行中w
これから太海の漁村を歩くけど、それっぽい景色を期待してしまいます。

聖地を後にして太海漁港を散歩します。地元の漁協帽を被ったおじいちゃんのスーパーカブ、釣り人、
ホッカムリをしたお婆さん三人衆、漁に使うであろう道具が散見した鄙びた漁村。
凄いですね、昭和中期のまま時間が止まってます。まあ理屈抜きにして写真をご覧下さい。
それにしても今日は日曜日なのに観光客らしき人は1人も居ないです。これ、平日ならどんな感じなんだろうかと想像してしまいます。



スタートはよしのや旅館前から。
海沿いの小道と山沿いの小道があります。




階段を降りるとそのまま海に入れるのって凄くないですか?





急な斜面にへばりつくように建築されています。

 






















































































































































本当は海辺の何処かに腰掛けて、海でも見ながらのんびりしようかと思ったのですが、
いかんせん風、それも北風が容赦なく体温を奪います。

漁港のすぐ近くに太海フラワーセンターという観光施設がありました。
惜しくも2018/12/31を持って全ての施設が閉館。
今はまだ閉鎖された時のままですが(半月しか建っていないので)、これから廃墟になる候補大でしょうね。
何かしら策を講じないと廃墟マニアの餌食になりますよ。









ワンニャンは行き先決まったのかな?









































さていよいよ気になっていた仁右衛門島に行ってみます。


対岸より。


仁右衛門島なんて、まるで横溝正史の作品に出てきそうな名前じゃないですか。
別にそんな何かを期待しているわけでもないのですが、ちょっぴりワクワクしちゃいます。
まずは太海漁港の一角にある船着き場まで。
  

とても海が綺麗です。天気も良くて気持ちがいい・・・とは強風のお陰で言えないです。
日向に居てもこの北風を浴びてしまうと寒くてしょうがないです。


待合室にて。


お迎えのサッパ船がやって来ました。この強風で手漕ぎのサッパ船か・・大丈夫かな?


島に向けて出発!強風のお陰で結構いい揺れ方します。
まあ5分足らずなのであっという間ですがね。


サッパ船より


島の船着場に到着。ここの建物で往復の船賃と入島料を払います。コミコミで1350円ポッキリ。
結構攻めの値段ですが、いろいろな維持費を想像すると妥当な値段なんですかねぇ。
この島の固定資産税とかいくらなんだろうか。








島でもらった太海のマップ。
かつては波太(なぶと)と呼ばれていた地域だそうです。



入島料を払うと売店らしき場所を通らされます。
なんかマイナーな島だと思ってましたが
グッズや関連商品が充実してるぞ、これは意外!



入島料を取るだけあって島内は綺麗に整備されています。
順路札もあり、散策には迷わないようです。



最初の休憩所からの展望。
仁右衛門島から西の方角を見る。



島内にある神社がとても怖い雰囲気



島の西端から太海の漁港を臨む



同地点からのパノラマ



































































































島の中央に島主である平野二右衛門様の住宅があります。
ご厚意で中の一部を一般公開されてらっしゃいます。築300年以上経つ貴重な建造物ですので
恐縮しながら拝見させていただきました。
島主の平野様も現在で38代目だそうです。







2019年時点で築315年。凄いですね。




要所要所に違う材質の木材を使っています。
当時、よほど質のいい木と腕の良い大工だったのでしょう。
300年経ってこの歪の少なさ、素晴らしいです。




「鉋(かんな)のなかった頃、手斧で削った
欅(けやき)の帯戸(四枚組)」



素敵な縁側ですね。これほどの建物、基礎はどうなってるのかな?
と、床下を覗いた所、基礎は現代建築の方式で
ガッツリと補強されているのでありました。
まあ、しょうがないですよね。建物は基礎か屋根が最初に傷んできますから。

 


風抜けが良さげですな。
老後は階段の無いこういう平屋が欲しい。

 


















































 
















































2つの突起になってると「夫婦〜」とか言って、 必ず注連縄をかけられてしまう岩。どこに行っても同じですね。

この島には色々伝説もあるのですがどれも信憑性がイマイチのようです。
かつて源頼朝がこの島に逃げてきたらしいのですが、どうなんですかねぇ。
  


う〜ん、どうなんでしょう。

島南部にある見晴台より。


もうすぐ春がやってきそうですな。
 

こんな方も来島してたのね。もう若干マイナーな人達ですがね。


帰りの船に乗って(帰りは強風の抵抗のためモーターボートだった)本土に戻ります。

「さあ、着きました」
「・・・・アッ ! ここはもとの村ではないか」



(^_^;) 言ってみたかっただけです。分かってくだされ。

それにしても寒い!身体が芯まで冷えてしまいました。
これは当然の成り行きというか風呂に入りたくなります。

下調べしてあった民宿の日帰り入浴に向かいます。その名も「こはら荘」。
 
ところが何回呼び鈴を押しても応答がありません。
丁度昼食時なので居ないのかな?また後で来ようかな。

しょうがないので私も食事にします。港町に来たのだから美味しい魚介類を食べたい所ですが
身体がすっかり冷えきってしまい海鮮系は受け付けません。
通りに出ると丁度食堂がありました。


定食、丼物、ラーメンって冷えた身体にはまるで赤ちょうちん。
フラフラっと引き寄せられるように店に入りました。
地元の人らしきお客さんが数組ほど。観光客は私だけのようです。

メニューを見てみると中々の観光地価格。う〜ん、
悩んだ挙句「磯ラーメン」にしました。980円。
待つこと10分位、アツアツのラーメンが出てきました。

スープからジュルッと飲んでみます。
う〜ん、身体が冷えているのでラーメンスープが最高に美味しいです。
「磯」らしき具はスライスしたサザエのスライス5キレと若干量の多いワカメかな。
普通のラーメンが680円なのでサザエとワカメ(磯野家みたいw)で+300円になります。
ラーメンも普通の醤油ラーメンなので可でも不可でもありません。
総合的に見ても決してCPが高いとは言えないかな。まあしょうがないね。

お腹が膨れて身体も暖まった所で温泉に行きます。が、
食堂の前でこんな看板を見てしまいました。



もうこっちでいいかな〜と心が揺らぎます(笑)
結局近場で済ますことに。日帰り入浴1,000円になります。



殿方大浴場。窓際に立てば海が見えます。



こちらは熱めで浅い浴槽。
温度計表示は42℃になってました。



こちらは温くて深めの浴槽。
なんと深さが140センチ位あります。
小さい子供は確実に溺死しますね。
温度は39℃くらいでした。



どこか懐かしいタイル枠の浴槽縁。
お洒落ですね。



あ〜いい湯だなと。
泉質は特筆すべきもなく無味です。
ほんのり硫黄の匂いもしますが、
塩素系消毒臭がそれを上回ってますね。
まあ、加水加温消毒なので致し方ないですね。

今回は貸し切りでのんびり出来たので程よい汗をかく程度に温まりました。
フロントの対応や清掃状態も含めてリピートはありの温泉ですね。
泉質よりも雰囲気が良いですね。

次は鴨川松島を目指します。
この海辺の宿恵比寿からは約1.4km。歩くにはちょうど良いですね。

途中の山平商店にて。こぼれ魚を狙うトンビ達。
それと水産会社のトラックがアートトラックみたいでカッコイイ!
 

途中の八岡隧道は歩道が無い上に暗いので歩行者はちょっと怖いかな(^^ゞ


鴨川松島に到着。あはは、なるほどね。
確かにちょっと松島っぽいやね。島数がもっと多いといいのに(^^)
 

太海駅に戻ります。
途中の鴨川青年の家からの景色です。
左側に仁右衛門島、太海漁村です。


太海駅から安房鴨川まで移動します。今日はお土産を買って退散します。
帰りは各停ですので結構な時間がかかります。そろそろ戻らないととても遅くなってしまいますので。
 
意外に地味な安房鴨川駅。シーワールドは行ったことがないので今度家族で行ってみようかな。
駅近くのおみやげショップ「潮彩市場」でお土産を買ってこの日は帰路に就きました。
潮騒市場に行く途中、素敵なショップを見つけました。
 
店頭のラジカセとかSONYの看板とか、昭和テイスト抜群の店舗ですね。
ラジカセから流れているのも昭和歌謡ですからご主人のセンスが垣間見れますね。
店舗に入る勇気は無かったですけどね。

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仁右衛門島のお土産袋。意外に観光化されてて草


仁右衛門島で購入したTシャツ。背中に絵柄が印刷されてます。
白と黒があります。各々2,500円。メッシュ。



 
いちごの宝石。
内容量は10粒足らずでしたが意外と良いお味で楽しめました。
潮騒市場で購入、486円(税別)


落花生かりんとう。まあ見た目のまんまですね。
けど内容量少なすぎ。あっという間に無くなりました。
潮騒市場で購入、378円(税別)



カブトムシの餌の様なびわゼリー。
でもこれは中々の美味でした。
潮騒市場で購入、432円(税別)。


これで今回の撮影記は終わりです。長文ご愛読ありがとうございました。
次回の撮影記もお楽しみに。



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