2008-08-05(火)晴 旅行四日目 初岡見貨物と津和野観光

今日は小京都と呼ばれる津和野の観光予定だ。
益田を11:14分発の山口線各停に乗ればいいのでスケジュール的には余裕だ。
家族も少々疲れが出てきたのか、朝7:30の時点で爆睡中。

仕事柄、早起きな私はいつも5:00前後に目が覚めてしまう。
そう言えば、こちらに来てから例の貨物列車の存在をすっかり忘れていた。
叔父の家から石見津田の駅までは歩いて行ける距離。私は三脚とカメラを持って寝静まる家を後にした。

以前にも来たことがあるので石見津田駅のロケーションは知っていた。
俯瞰撮影に適した跨線橋があること、順光撮影が出来る長いホームがあること。
無人駅なので事実上は入り放題な事(←本当は入場券が必要です)。

石見津田の駅までは国道9号線沿いに歩けばすぐに着く。
それにしても暑い、浜風があるとは言え、この暑さは都心と差は無い気がする。
石見津田の駅脇に踏切がある。警報機付きの単線踏切だ。
踏切の真ん中で両方向に延びる線路を観察していると、警報機が作動。
「ありゃ、随分良いタイミングで来るのぉ」とカメラを構えてみる。
来たのはキハ120による各駅停車、浜田発益田行きの341Dだ。
二両編成でとても可愛い。コトトン、コトトンと鉄道模型のようだ。

太陽を背にしながら、
益田駅に向かうキハ120。
横切る電線が惜しい。
やはりローカル線は絵になる。
(踏切上から撮影)
踏切から益田方面を。
枕木と犬釘を久しぶりに見た。

さて、とりあえず石見津田駅の跨線橋の上に三脚を固定する。
俯瞰撮影がしたいこと、遠方までの状況が掴みやすいこと等の理由でここにした。
DDが来るまでは二時間近くあるが、鉄道ファンは列車が来るまでの待ち時間も
苦にならないように、日頃から修行しているのだ(笑)

時間の長さより辛いのは、この真夏の太陽だ。
帽子を被っているとは言え、じっとしていても汗が落ちてくる状況だ。
唯一の救いは、跨線橋の鎌手側の内側が陰になっている事。
この陰に入って踏切の警報機が鳴るのを待つのだ。
その間に時刻表を見ている時間が「ああ、今自分は撮り鉄なんだな」と自覚できる至福の時でもある。
石見津田の駅は、駅を挟んで東西に踏切があるので、上り下りどちらから列車が来るのかわかりやすい。
列車が来た場合、この二つの踏切の警報機にタイムラグがあるからだ。

カンカンカン。警報機が鳴る。
跨線橋に三脚を構えて最初の獲物だ。キハ187系の「スーパーまつかぜ6号」だ。
特急だが二両編成。こう言う所が大好きです、山陰本線。
ファインダーを覗き、シャッターチャンスを待つ。が、
あれぇ?と段々近づいてくるキハの編成が短すぎて良い構図に収まらない。
もう「待ち」の限界と言うところでシャッターを切るが何とも中途半端な構図。
日頃、長編成の車両ばかり撮影しているせいか、どうも勝手が掴めない。
その後に来た快速「アクアライナー」も二両編成だ。先程と構図を変えてみたが少し良くなった。

駅の跨線橋から海が見える。
何と恵まれた環境であろうか。
スーパーまつかぜ6号。
中途半端な構図だ。
こちらは快速「アクアライナー」

試行演習も繰り返せぬまま、08:20になってしまった。
岡見貨物が石見津田の駅に到着するのは08:22。そろそろだ。
間髪入れず踏切の警報機が鳴る。益田側の警報機が先に鳴ったので間違いない
・・・・・岡見貨物キターーーーーーーーーーーーーーッ!
入線から発車までの音声はこちら(5分30秒)
(入線~停車~373Dとの交換~マイクの位置を駅舎から鎌手よりのホーム端に移動~スーパーおき1号との交換~発車。長い停車部分はカットしてあります。)
それにしてもブレーキの軋み音がたまらない!
**************
うはぁ、原色のDDかっこえぇ!(゜∇゜ ;) しかも重連だし。
ファインダーに全神経を集中する。もうちょっともうちょっと・・・・
「今だ!」と撮影したのがこれ↓



ヤッター! 満点のフレームアウトだ。興奮して溜め過ぎちゃった(笑)
ううぅ、こうなったら10分間の停車時間中にDDを楽しむぞ。
この時は851と855の重連。こんなに間近でDDを見られる(しかも触れる)なんて夢のようだ。
DDの窓に反射する朝日。
この機関車、どこから撮っても
絵になるのね。
昔は「JR貨物」のプレートが無かった。
製造年月を伏せてあるのはなぜ?

このボディのヤレ具合がたまらなく良い。
ウェザリングしているかのようだ。
堂々の重連ぶり。
乗ってみたいと思うのは私だけ?


さて行ってしまった岡見貨物を車で追いかけながら撮影している余裕もない。
一旦家に戻って津和野行きの準備をしましょうか。朝食も取ってないし。

再び石見津田駅。10:18分発の益田行き3451D「アクアライナー」だ。
3451Dアクアライナー内。優先席だけモケットの柄が違う。

益田着10:26、そこから11:14発の2546Dだ。
益田駅で待機中、階段の下に「杖」の筒を見つけた。高齢者が多いのだろうか。
そんな珍しい物を見つけた子供達が黙っているわけがない。早速「杖」を手にして、高齢者の物真似&チャンバラだ。
見ていてこちらが恥ずかしいので「やめんか!」の雷で終了。さすがに列車の待ち時間は退屈なのか?

益田駅駅名標。
山陰本線と山口線の駅を表示。
益田駅に集結中の「キハ」達。
左から126、120、40だ。

益田駅階段下にある杖の筒。
確かに珍しい。
益田駅売店のシャッター画。
地元の子供達の作品とおもわれる。
「きんちゃい、島根」
益田駅に待機している、
長門市行き1573Dと
米子行きスーパーおき2号
益田駅スタンプ

益田を発車して約40分。津和野に到着だ。ここの駅は初めてで、思っていたよりも小規模だった。
それにしてもキハがよく似合う駅だ。国鉄色の頃を想像してしまう。
駅の待合室にはうどん屋と売店がある。この売店は当然と言うか「SLやまぐち号」関連の商品が山ほどある。
「へぇ~」と数分物色したが、結局何も買わなかった(笑)

駅を出てすぐ左に蒸気機関車がある。知らなかった私は一瞬、「C57 1」が置いてあるのかと思い、
近づいてみると妙に朽ちているので「?」と思ったが、それがD51であることに気が付くのに
時間はかからなかった。「D51か・・・動態は見たこと無いなぁと呟く」
津和野駅に停車中のキハ40
津和野駅2番ホーム。
これまたキハ40が似合う。
津和野駅待合室売店
SLグッズが充実している。
津和野駅の跨線橋から見たD51
津和野駅脇に展示してあるD51。
屋根が無いので保存状態が悪いです。
津和野駅スタンプ

津和野駅からは定番のレンタサイクルを借りる。
割引券のイラストが長谷川町子風だ。連載開始当時の「サザエさん」はこんなタッチだったような気がする。
このレンタサイクル2時間まで500円、それ以降は1時間100円と良心的な価格設定だ。
しかもレンタサイクル利用者は手荷物預かりサービスが無料になるのだ。
では手荷物だけ預けた場合はどうなるのかと言うと、手荷物一個に付き210円。
ん~、微妙な価格だが町内を自転車で回れる機動性を考えると自転車をレンタルした方がお得なような気がする。
レンタサイクルの割引券

さて、広い津和野町内だが、それなりに予習はしてきたつもりだ。
叔父の薦めもあって「鯉の米屋」の吉永米店に行く。
駅前の通りから殿町通りに行く途中のT路地では、この米屋は殿町通りとは逆の方向にある。
それ故、観光客も少なくそこそこの穴場だ。と叔父に教えてもらっていた。

吉永米店の前に自転車を止める。案の定、客も少なく穴場の匂いがする。
中に入ると、池は店の奥。このまま進んで良いのかな?と思いつつ、辺りに目をやると、
「鯉のエサ 100円」と無人販売している。早速エサを買い更に奥の池に臨んだ。
「おおっ! すげぇなぁ」。池の中には溢れんばかりの鯉達がエサをクレクレタコラ状態(←?)
子供達は張り切って、ポイポイっとエサをやり始める。鯉達の争奪戦が始まった。
バシャーンバシャンと波飛沫を上げながらがっつく鯉達。娘はそれが面白くてしょうがないのか、
一袋の半分以上あるエサの残りを一気に投入した。凄い凄いこっちまで水しぶきが飛んでくる。

さらには自分の小遣いで400円分のエサを買ってくる。お土産代無くなっちゃうぞ。
こういう部分は私に似て大胆というか計画性が無いというか豪快だ。財縁が無さそうな娘だ(笑)
それとは裏腹に息子は慎重派。一粒一粒、丁寧に鯉に提供している。
娘が三袋目に突入かと言うときに、息子はまだ一袋目の半分も行かない(爆)
キリがないのでそろそろ行こうと言うことになり米屋を後にした。

「鯉の米屋」吉永米店です。
いい雰囲気出してます。
吉永米店の鯉。
凄い数です。

その後、殿町通りへ向かう途中、叔父から聞いていた津和野で一番美味しいと言われている源氏巻の店、
「竹風軒(ちくふうけん)」に寄る。確かに上品そうな店だ。そこで土産用の源氏巻を購入。
持って歩くのは非常に面倒なので、店から宅急便で送ってしまう。便利な世の中になった物だ。
竹風軒の源氏巻。包装箱も上品だ。

さて津和野の名所でもある殿町通り。
確かに写真と一緒だ。鯉もいる、菖蒲もある。しかし暑い。
盆地にあるせいか、日差しは元より風が無い。ジッとしていると熱中症になりそうだ。
これなら自転車に乗って風を切っているほうがはるかに楽ということで家族一致。
殿町通りのお堀に居る鯉に、余ったエサを全て寄付して出発した。
津和野川に架かる橋から撮影。緑濃い山々が印象的だ。この川にも鯉が居る。

それから津和野温泉を目指す。久しぶりの温泉だ。
津和野駅からはそれなりに距離がある。レンタサイクルが活きるところだ。
温泉までは長く緩い上り坂なのだが、自転車には変速機も着いており、なかなか快適だ。
最近のレンタサイクルは後ろに子供を乗せるための補助席が着いていて助かる。
実はレンタサイクルを借りるまでの道中、三歳の子供はどうしようかと思案していたのだ。
ファミリーの観光客も多いのか最近のレンタサイクル店は気が利いている。
うだるような暑さの中、自転車で山の風を切って走るのが何とも心地よい。

津和野温泉「なごみの里」。ここは道の駅に併設されており、設備の規模としてもかなり大きい。
久しぶりの大浴場とあって、すっかり有頂天だ。
ここの温泉は単純放射能冷鉱泉だ。草津温泉慣れした体には、いささか物足りない。
温度も私の体感では38度くらいと一般的には適温だが、息子は「熱い」と言っていた。
正直「時間湯」にでも入りたい心境だが、15分もしないうちに息子が「熱いから上がりたい」と言い出したので、
温泉を早々に切り上げて、休憩所で息子とくつろぐ。我が家の女性陣はまだまだ入浴中だ。
ジュースとアイスクリーム。そう言う物だけはしっかりと入る子供の胃袋。ご飯は残すくせに。

この辺りで旅行も中盤となり、すっかり「写真を撮る」事を忘れていた。
帰って来てから気が付いたのだが、この日の写真はやけに少ない。
色々な場面を「見て」はいたのだが「撮る」をしていない。
疲れが溜まり始めるといつもこうだ。我ながら情けないと思う。
硫黄島に行った時は特にそうだ。暑さのため疲労が蓄積されるのは分かるが、
後半の三日間くらいは一コマも撮影していない。帰ってからいつも後悔している。

やがて女性陣が「お待たせ」と出てくる。とても気持ちが良かったらしく喜んでいた。
温泉で代謝も進んだので、この中で食事でも、と(時計はもう14時だし)思い、レストランに行くと、
「本日貸し切り」の札が。団体さんによる貸し切りだ。キャパが少ないなと思うと、
団体さんの人数が40~50人。これでは仕方ないなと思い、施設を後にする。

帰りは下り坂なので自転車がこの上なく快適だ。スピードの出し過ぎに注意しながらも、
ついつい飛ばしてしまう。自動車の交通量も少ないので尚更だ。
さすがにお腹が空いてきたので駅までの途中の「みのや」という店に寄る。
冷房が無い店だが、造りが古風で何となく雰囲気が良いので暖簾をくぐらせてもらった。

「みのや」さんの玄関先。粋な演出だ。

私と妻は「ざるそば」を、子供達は「握り飯セット」を頂いた。
サービスで置いてある「まめ茶」の香ばしさが渇いた喉を癒してくれる。
冷房が無くとも、扇風機と時折吹いてくる冷たい山の風が爽やかで気持ちいい。
娘のリクエストで「冷やしアメ」を注文。
西日本でしか味わえないご当地物だ。以前は和歌山県で食したことがある。
独特の生姜風味が子供を寄せ付けない(笑)。懐かしい味にお父さんは満足だ。
お会計を済ませて店を後にする。

レンタサイクル屋に戻り自転車を返す。駅に戻ると待機中の「SLやまぐち号」がいた。
今日は平日なので「C56 160」だ。牽引客車も青の12系だ。
「SLやまぐち号」の中では最も地味な構成ではないだろうか。
本来8/8のチケットが取れなかった場合、乗るのはこの編成だった。
実物を見て思ったのだが、やはり「C57」の方が良いな、青の12系は雰囲気無いな、と感じた。

それでもSLは珍しいので、鉄道に興味が無く、土産屋を見に行ってしまった女性陣をよそに、
息子と二人でSL観賞。やがて15:36に。C56が目一杯の音量で汽笛を鳴らす。
「フォーーーーーッ!」。息子の体がビクッと動く(笑)。すぐに耳を塞いでいた。
ドラフト音を立ててSLは去っていく。8日はこれに乗るのかと期待を膨らませた。
しかし客車は2両しかないのですぐに最後尾になってしまい、淋しかった。

津和野駅で待機中のC56 160。

さて津和野駅から石見津田に帰るべく、益田行きの列車を待つ。
16:49津和野発の2545Dだ。写真は待機中のそれだが、
津和野駅の脇にポツリと佇んでいる姿が何と絵になることか。
津和野で待機中のキハ40。ローカル線万歳。

益田行きの列車でウトウトしているといつの間にか終着駅に。
一時間があっと言う間だ。今度は出雲市行きの354Dを待つことに。
と、隣のホームを見ていると何と朝に会ったばかりのDDが来たではないか。
「おぉ」っと目が覚めた私は、カメラを持ってDDの正面に向かうのであった。
しかし、もう夕暮れ時。駅構内の影になっている部分と、西日が当たっている部分では
明暗の差があまりにも大きすぎて露出が厳しい。
それでも我慢しつつシャッターを切る。東京に戻ってしまったらもうこいつとは会えなくなる。
そんな気持ちで一杯だった。
益田駅に待機中のDD。
露出厳しすぎ。
どうせならと逆光で。

やがて時間になり、我々は列車に乗った。
またDDに会えると良いなと思いつつ今日一日が終了した。
石見津田に到着した頃、あたりはすっかり薄暗くなっていた。

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