北海道道南旅行 08/04〜08/10

・撮影:PENTAX K200D+TAMRON18-200お便利ズーム(←ほとんどがこれで撮影)、FA50mmF1.4。
・サイト作製:Adobe Go Live6.1
・表示確認:Firefox3.0 Safari4.1.2
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・2010/11/09アップ

序章

ここ数年、夜行列車の淘汰が進んでいる。
理由は幾つもあるのだが、主な原因として利用者数の低迷、車両の老朽化等々である。
利用者数の低迷は集客努力をすれば解決しようもあるし、車両の老朽化は新造すればいいだけの話でもある。
(実際はそんな簡単な物ではないが)

本当の要因は国鉄からJRへの転換の際、分割化され各管轄間での連携が取りにくくなってしまった事だ。
長距離を走る寝台列車。いくつものJR管轄を通り、乗務員の交代も頻繁になり、その分の人件費も要する。
今やJRの職員も一端のサラリーマン。深夜は働きたくないのだろう。それは皆同じ。

故に上記の理由も含め、夜行列車は面倒くさがられ、廃止してしまえば企業としては負担が減らせると言うことだ。
だが夜行列車に鉄道旅の醍醐味を求めるファンも決して少なくはない。
通勤列車と違い、頻繁に利用は出来ないが祭事期には夜行列車は必ず満席になるのがその証拠。
逆に平日の利用は正に空気輸送でムダな事この上無い。
臨時列車として平日は車庫に寝かせておくのでは金にならない。鉄道車両は毎日走ってナンボの物なのだ。

結果的に夜行列車の存続に関しては一個人ではどうしようもないという事だ。
ならばある内に利用しておこうではないかと言う事で計画を始めた。
現在運行されている寝台列車は殆どが北へ向かう列車ばかり。

西へ向かうサンライズ号はどちらかと言えばビジネスモデルで四人家族の私にはちょっと分が悪い。
ならば北へ向かうのが吉と行き先を北海道に決定。30年ぶりの北の大地だ。
現在、札幌へ向かう夜行列車はトワイライトエクスプレス、カシオペア、北斗星の3つ。
どうせならと、大阪から札幌まで日本一の走行距離を走るトワイライトエクスプレスを第一希望にしてみる。

旅立ちの1ヶ月前の2010/07/04、指定券を取るため大宮の「みどりの窓口」へ。
狙いはもちろん10時打ち。6時の営業開始に5時半から並ぶ。
 大宮駅「みどりの窓口」。大きな窓口だからと言って指定席確保の確率が上がるわけではない。

 事前予約は1番、僅かながら期待に胸が膨らむ。

事前予約は済ませたので結果が出る10時過ぎまで時間をつぶす。
ホームで列車を眺めているのも良いし、駅撮りをするのも楽しい。
ターミナル駅は色々な車両が到着するので飽きなく時間が進んでいく。

もちろん大宮駅のみでこの列車のチケットが獲得できるとは思っていない。
時間がある内に近場の川越駅等、3カ所ほどにも網を仕掛けてみる。しかし事前予約の番号は皆二桁。望みは無いだろう。
妻は事前予約無しの北朝霞駅担当だ。ここは一応保険で、「10時くらいに行ってみてね」と妻に伝えてある。
もともと競争率の激しい列車な上に、夏休みとあって内心は無理だろうと諦め半分期待半分の心境だった。

10時を過ぎ、受験の合格発表を見に行くような気持ちで結果を聞きに行く。

大宮を含め、網を仕掛けておいた所は全て全滅。妻の北朝霞もダメだった。

話は戻るがJTBのオンラインサイトというのもあり、一応利用させてもらった。
しかしながらここも全滅。やはりトワイライトエクスプレスのチケットは予想以上に難関なのだ。
第二・第三希望の北斗星・カシオペアもまさかの全滅。一体どうなっているのか。
結果論ながら最初から北斗星ぐらいを第一希望にしておけば良かったのではないかと思ってしまう。いや、どの列車も一緒かな?
それにしても繁忙期の夜行列車の需要は異常だね。JRさん、どうにか対応してくださいな。


大宮駅でキャンセル待ちに登録しつつ、新幹線(大宮~八戸)と在来線特急(八戸~札幌)のチケットを手配してもらった。
それから出発までの一ヶ月間、こまめにマルスを叩いてもらったりしたが、前日になってもトワイライトエクスプレスのチケットは確保できず、
いよいよ宿の予約も変更できなくなり、結局新幹線と特急での北海道入りとなってしまったのである。
まあ、他にもルートは色々あったが(寝台特急あけぼの+白鳥とか)、もはやどうにもならない現状に只々流されるだけであった。何とも歯痒い結果である。
今思えば、トワイライトのチケットは全てツアーで押さえられていたのではないかと思う。
間際になるまでの1ヶ月、空席の動きが全然無かったと思われるし、チケットがオークションに出回っていなかったこと等々から想像できるに過ぎない仮説だが。

そして後日、道中や帰りのチケットを揃えるべく奮闘するが、どうにも思惑通りのチケットが確保できない。
夏休み中の北海道とあって混雑しているのは分かるが、旅行日程そのものを変更するようになってしまう程のバラツキだ。
結果的に道中にムダな行程が発生する物の、どうにか一通りのスケジュールが決定できた。
幸いにも帰りは「寝台特急 北斗星」のチケットを確保できたのが唯一の救いである。
ただ始発の札幌からではなく途中の長万部(おしゃまんべ)からになってしまったが。

 全て揃ったチケット類。壮観な眺めですな。

この時期、満席が相次ぐ状況なのに増発も出来ない夜行列車の置かれている環境が不憫で仕方なかった。
かつては「~81号」などと同じ列車名でも二便、三便、臨時便とあった物だが、現在は増発させる車両すら無いのだ。
やはり夜行列車の行く末は誰もが容易に想像できるだろう。これも時代と割り切るしかない。

とりあえず1ヶ月後、北の大地への旅立ちに胸が膨らむのであった。

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